大久保の家 vol.4 家具の製作背景

大久保の家では、ダイニングテーブルの製作を行なっている。

きっかけは、お施主さんの実家から、
「いつか子どもが家を建てるときのために取っておいた」という木材を託されたことからはじまった。

支給木材の扱いはなかなか難しい。
樹種や寸法、木のひねり具合などを確認して、せっかくなら生活の中心になるダイニングテーブルが作れたらと思い、製材できそうな寸法を大まかに拾い出していった。

樹種は沖縄の県産材のリュウキュウマツとセンダンの木で、センダンはダイニングテーブルに、リュウキュウマツはベンチとして、家具の図面を作成し、家具屋さんに相談することとなった。

家具屋さんに木材の状態を実際に確認してもらい、まずは製材のみを受けてくれる工場探しと、虫食い跡があることや、部材が小さくてそもそも製材できないものなど、色々なハードルが出てきた。

どうにか製材所が見つかって実際に木材を切ってみると、白い斑点のような細かい空洞や、割れが出てきたり、画鋲が木の中に埋まっていたなど、予想外のことも多く、頭を悩ませた。

新たに良い材料を仕入れれば、クオリティの高いものができるが、多少欠点があっても、この材料を使うことが、お施主さんにとって何よりも価値のある物になるだろうと思い、そのまま製作へと進んでいくこととなった。